いつの頃からか、一度登ってみたいという願いを懷いてきた。「『佐久の幽巒』といわれ、古くから静寂な山旅を愛する人たちに登られてきたという。長野県南佐久郡にあるが、ふつうは西上州の最高峰とされている。」と『群馬の山歩き130選』にある。西上州の最高峰となれば行かないわけにいかない。頂上の80mの大岩壁というのも見て見たい。
今回も熊女高OG山行会のメンバーで第5回の山行である。
本庄07:00=佐久IC08:40=白岩登山口10:00-図根点10:50~11:00-こぶ12:00~15-コル12:30-頂上(2112m 昼食)13:00~14:00-休憩14:50-登山口15:40
登山口の空気は冷たく、空は青く澄んで絶好の登山日和。草の茎が縦に裂けてそこから何重にも氷の層ができている。触ると簡単に崩れる。霜か茎の中の水分が凍ったものか。霜とすればほかの木の枝にも霧氷となるのではないか。茎の中の水分が凍ったとすると枯れた草の茎が水を吸い上げるのだろうか。もしかするとひびわれた茎の毛細管現象か。分からないが美しい。
落葉樹の樹林帯を進む。落ち葉を踏む感触が樂しい。いろいろな形のドングリや小さなマツボックリをさがしながらゆっくりと歩く。光の中で風に揺れるススキがあまりにきれいで、同行の(かつての)女の子の一人は夢中になってカメラのシャッターを押している。昔なら「歩くリズムを乱すな」と怒鳴ったかもしれないが、今は誰も何も言わない。好きなところで立ち止まって山を楽しんでいる。みんなにこにこと喋りながら歩いている。
12時30分2020mのコルに着く。此処から最後の急な登りとなるということで、立ち止まって心の準備をする。周囲は石楠花がいっぱい。初夏に来たらきれいだろう。30分で頂上に到着。さすが西上州最高峰だ。目の下に天狗山と男山という登山欲を唆るような名前の山が優美に横たわっている(写真)。左から奥秩父(写真。金峰の五丈岩がよーく見るとぽつんと写っている)、八ヶ岳、浅間山と360度の山を見わたせる眺望の良さ。ただ暖かくかすんで南アルプスは判明しないのが残念。断崖絶壁の岩場でちょっと怖かったとは女の子らしい感想が下山後に。座った岩がほんわか温かく、いい気持ちだったとも。
ここで昼食をとる。ラーメンとコーヒーとビール(私だけ)が何とも美味い。そのうち元気おばさんが3人現れる。私が山の話をしたところ心を許したのか、女の子たちにミカンをプレゼントしてくれた。
避難小屋の中をのぞいた後出発。おなじく彼女たちの手記に「下りの歩き方を先生に教わりながら歩いた。なかなかうまくはいかないけどちょっとは速くあるけるようになったかな?」とある。 1時間40分で登山口到着。朝のきれいな霜(?)はすべて消えていた。
帰路はブドウ峠経由のルートを取る。20年前に訪れた浜平温泉でひなびた風情を楽しもうと期待したのだが7月いっぱいで廃業したとのこと、残念だった。万場、鬼石を経て本庄着。